ひとり介護 5年間の記録

2019年に母が他界。以後2020年からは5年間の介護の日々を振り返ります。介護と向き合う方に少しでもヒントとなり、エールになりますように。

一人介護の限界

頭痛と吐き気で起きられない。
鎮痛剤も4錠飲んだ。

 

昨晩、歩行器による母の歩行が儘ならず、支えていたら治りかけていたギックリ腰がまた悲鳴を上げた。

 

「オムツを替えてくれ」
「朝御飯を食べさせてくれ」
と母が呼んでいる。

 

腰の痛み、頭痛とと吐き気を堪えてパンと飲み物だけ何とか準備して、まず洗っておいた母の入歯を入れる。
次にオムツを替える。
排泄物の匂いに吐き気が益々つのる。
オムツ替えで腰をかがめると、また腰が悲鳴を上げた。

 

気持ちはそんなに萎えていない、が身体の辛さからなのか自然と涙が出た。

 

せめて母が認知症を患っていなかったら、もっと理解してくれたら。
またしても一人介護の限界を感じる。

 

頭を患ってしまうと、人は人でなくなる。
親は親でなくなる。
それでも親なのだ。

 

既に始まっている高齢化社会核家族化がもたらした介護負担。
老老介護や一人介護を苦にした自殺や無理心中、自分のことを後回しにして顧みなかった、いや後回しにせざるを得なかったことによる病死。
大山のぶ代さんのご主人や有賀さつきさんは これに当たるだろう。

そして、今後益々大きな社会問題となるに違いない。

 

だから、こんな思いをせずに済んだ人は本当に幸せだと思って欲しい。

 

そして次に考える自身の老後。
親の事を考えれば認知症リスクは高いと言える。

頼る人は居ないのだから自分自身で考え決めておかなければ、準備しておかなければいけない。

 

母の事を終えてソファに倒れ込むと、愛犬 凜が寄り添って来る。
唯一の救いであり、頑張る力を与えてくれる大きな存在。

君が居てくれて本当に良かった。