ひとり介護 5年間の記録

2019年に母が他界。以後2020年からは5年間の介護の日々を振り返ります。介護と向き合う方に少しでもヒントとなり、エールになりますように。

5年間の介護記録〜感情の起伏

2013年11月

 

とにかく愛犬の事が気に掛かり、

母といさかいになろうと

毎週、休みに必ず実家に泊まりがけで

帰るようにしていた。

 

一時的な感情の高ぶりだったのか

その後、愛犬に対しての乱暴な言動は

無くなったかに思えました。

 

ただ 母は私が実家に行こうが

全くお構い無し。

 

家が片付くはずも無く、

11月に入ると喪中欠礼挨拶状と

年が明ければ あっという間にやって来る

父の一周忌の準備をしなければならず、

暫くの間  実家の始末の事は

頭から遠ざかって行きました。

 

母も落ち着いた様子で

親類や父の関係先、

また母自身の交友関係へと

喪中挨拶の準備を進めているようでした。

 

それを見て 私もホッとして

仕事、実家への顔出しの傍ら、

自分自身の喪中葉書や

年末への準備を進めて行く。

 

一方で、

一周忌の準備も始めなければと思い

母へ相談を持ちかけてみると、

 

「私には よく分からないから

あなたの方でお兄ちゃんと決めて

進めてちょうだい。

費用は出すから」

と言う母。

 

新居マンションの一件もあったので

そう言われても 全て、

いちいち母に相談と報告をする事にした。

 

そんなある日、事件は起こる。

 

泊まりがけで実家に行った翌朝、

起きて階下に下りて行くと

母がスカートの裾を握りしめて

廊下に立ち尽くしている。

 

「おはよう、

何、どうかした?」

と聞くと、

 

「どうしよう・・・

私、おかしくなっちゃったみたい」

と言う母の足元を見ると、

水浸しになっている。

 

いや、

それは水 ではない

失禁した母の姿だったのだ。